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    「幅広い経験が私の挑戦を後押ししてくれた」ーエンジニア亀田恭平さん

    ITプロインタビュー

    2017年06月20日

    「ネイチャーエンジニア」と風変わりな肩書をもつ亀田恭平氏。その肩書からわかるように自然が大好きなご本人、植物や動物、昆虫といった自然にまつわるアプリ開発や、小学生向けに自然教育の講師をしたりと、幅広い活動に取り組んでいる。それらの幅広い経験を通じ、自分が本当に好きなことにチャレンジするために独立。現在はITプロとして企業に週3日参画しつつ、残りの時間で挑戦を続ける同氏。「好きなことを仕事にしたい」と考える人が増えている今、「自分が本当に好きなことは自ら発信し、チャレンジしていくべき」と語ってくれた。

    紆余曲折を経て固めた自身の考え

    一つのプロダクトではなく、様々なプロダクト開発に携わりたいという想いから、私が新卒で入社したのは、いわゆる事業会社ではなく、独立系のSIerでした。しかし実際に入ってみると、請負開発や社内プロダクトの開発が多かったため、利用しているお客様の顔を見ることが出来ず、次第にもっとお客様に近い環境で開発をしていきたいと想いが強まっていきました。


    そんな思いから、ナビタイムジャパンに転職。GPS機能を利用したサービスの開発をはじめ、その他にも様々なサービスの開発を経験させていただきました。その経験からサービスを「世に送り出す」ということに興味を持ち始め、ただ単に開発だけでなく、戦略を考え、どう展開するべきか?といったところに、もっと携わりたいと思うようになっていきました。


    次のキャリアとしては、もっと攻めたようなサービスに関われる機会が欲しいと思い、コロプラに転職しました。コロプラを選んだ理由としては、ナビタイムで培った位置情報を使った開発スキルを活かせるということ、また代表がエンジニア出身ということで自分のキャリアの延長線として学べることが多いだろうと考えたためです。
    そこでは通常の開発以外にも、海外への長期出張を経験しました。サンフランシスコにて開発をしていたのですが、いわゆるちゃんとしたオフィスみたいなものはなく、家の一角がオフィスみたいな環境でした。大変なところもありましたが良い経験でしたね。現地で一緒に働いた人たちはとても優秀な方が多く、仕事が早い。定時までに切り上げるコミット力に優れた人たちに囲まれた環境だったので、そこは日本との違いを感じました。また、英語を使ったコミュニケーションに対するハードルが下がったということも、いい経験でした。正しい英会話で話さなければならない、というのは固定観念で、知っている単語とボディーランゲージでもコミュニケーションを取ることは可能だとわかりました。このような感じで技術面以外にも多くのことを学ぶことができました。


    この頃から、自分の中で次第に独立願望が芽生えるようになり、次の職場として選んだのはこれまでの会社とは比較にならないほど小さなスタートアップ。過去の経験から、会社自体が新規サービスをやりますといった状況でも、ある程度の骨子が既に出来ている状況か、もしくは創業メンバーや幹部クラスのみが新規サービスに関わっているケースが多く、自分が望む経験をすぐにするには、スタートアップに入るのが一番の近道だと考えたのです。

    自分が本当にやりたいことに気づいた瞬間

    今、独立という選択を踏み切っているのにはスタートアップの時代の経験が大きく影響していると思います。入社後、売上がたっていないところから営業を重ね、ようやく安定してきた頃、自分たちのサービスを作ろうという話になりました。


    とはいえ事業をつくった経験などこれまで全くなく、何から取り組めば良いのか全く検討もつかなかった私は、まずは「自由大学」というNPO法人のサービスを利用し、「社内起業学」を学ぶことにしました。自分のアイディアから事業企画書を作り、何をしたら良いかと四苦八苦しながら考える日々。最終的に発表となる際にある程度こんな感じかな?と言うものを作りましたが、なんだかモヤモヤが残ったままで、本当にこれを今の会社でやりたいのだろうか?と自問自答を繰り返しました。


    そんな中、その大学の繋がりがきっかけである勉強会に参加した際、コロプラ時代に個人で作成したとある虫のアプリを紹介する機会があったのですが、それがとても楽しく、今までに無いくらいテンションがあがっているのに気がつきました。それが契機となり、本気でその分野のサービス開発を進められないか、そう考えるようになったのです。


    しかし、元々すぐに独立しようというふうには考えていなかったので、IT×自然で既に何かやっているところは無いかを探しました。ビジネスとして自然に貢献できることを行ない、その利益で更に貢献できることを増やしていく、そのような循環を生み出したい、そんな取り組みをしている会社、団体の存在を信じ、数ヶ月探し続けました。
    しかしなかなか見つけることは難しく、可能性を感じる会社を見つけても、返ってくる返答は「やりたいが、いつやるかわからない」というものばかり。非営利団体に当たってみても、寄付や自治体のお金で成り立っていたため、アグレッシブに取り組むことは難しそうな状況でした。その頃から、これは自分がやるしか無いのではないか、そう思い始めてきました。


    その頃、とある知り合いのフリーランスと話す機会があり、独立について分からないことが多かったので、不安要素を質問してみました。例えば、「自身でサービスを始める際に食べていけるか」などといったことです。その結果、「開発に時間を費やせ、かつ生活資金源を保てる」週2日〜3日という働き方があると言うことを教えてもらいました。その話を聞いた2日後には独立する意思を固め、準備を始めていましたね(笑)。
    もともとの会社に残ったままやる、という選択肢も無かったわけでは無いですが、受託の仕事を受けてしまうとどうしても週4、5日は取られてしまうので、うまく自身のやりたいことと並行できない。やりたいことが明確になった後は、いかにそこに時間を使えるかを考え、選択を進めていった結果、フリーランスとして活動する、ということが最終的に私が行き着いた答えでした。

    新しい働き方の始まり

    フリーランスとして独立後すぐ、週2日〜3日の働き方に特化したITプロパートナーズに登録し、現在の現場を紹介してもらいました。
    週3日の働き方は初めてでしたが、結果として、紹介してもらった現場は働きやすく、また元々の自身の願いを叶えるための時間も確保することができ、非常に満足しています。というのも私のサービスは自然に関連するものなので、どうしても天気に左右されてしまう。平日週5日働き、土日でサービスを進めるとなると、土日が雨だった場合、サービスを進める手が止まってしまいます。自分でバランスを取りながら進められる点が、とても良かったです。
    自分のサービスは、今年の2月にリリースをしました。数字を見ながら、開発を進め、だんだんユーザーが集まってきている状況です。過去ニュージーランドに行った際、ツアーガイドの人が自分の国の自然について誇りをもって説明している姿に感銘を受けたことにあります。日本でも負けないような素晴らしい自然があるのに、あまり誇りをもっている人が少ないと感じました。自分のサービスを通して多くの人が日本の自然について誇りを持てるような国になったらいいな、と思いサービスを展開しています。ニュージーランドで僕が感じたように海外の人が日本に来た際、日本の素晴らしさを伝えられるようにしたいと思っています。

    またサービスの開発以外にも、ご縁があって小学校のボランティアにも参加させていただき、小学校で月に1.2回生物観察という授業しています。ニュージーランドで感じた自然の魅力を伝えたいという思いを今少しずつ実現できています。宮城では自然観察イベントのワークショップも展開しました。 今はむしマスターというアプリを展開していますが、自然にまつわるものでシリーズ化を考えています。 将来的には森などのフィールドを使ったサービスを展開したいと思っています。

    好きなことを仕事にしたいと思っている方へ

    興味があることや好きなことはまずは発信してみることが大事だと思います。僕もそこで気づき、行動に移せているので。そこまで好きじゃなかったら、発信をためらったり、話してみてもそこまでテンションも上がらない、というのが僕の経験上のお話になりますね。すでに好きなものがある方であれば、どんどんチャレンジしていくべきだと思います。


    チャレンジするためにフリーランスになった結果、私は様々なことを学びました。例えば、「何事も自分で判断することの大切さ」ですね。チャレンジしていく上で、判断に迫られることが多々あります。技術的な話でいえば、インフラ周りを構築していく際に、どこまで安全性を保ち、かつスピード感はどうしていくのか、といったバランスを判断したり、というようなことですね。会社に勤めていたら誰かが決めてくれて、指示に従えば良いかもしれませんが、フリーランスはそうはいきません。またフリーランスの場合、自身の専門外である法務周りなども、自分で判断する必要があります。そういったスキルは独立する際に必要だと思います。


    今後、好きなことの実現とマネタイズのバランスをとりながら働く、という生き方は増えていくと思います。ただ、単にそこを両立するだけではなく、企業に参画することによってスキルのキャッチアップができたということも、自分にとっては非常に大きかったですね。キャッチアップしたスキルは、自分のサービスにも活かすことも出来ます。そこをうまく利用して、自分が好きな事を追求する人が増えればいいなと思います。

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    今回はITプロの亀田さんに「好きなことを仕事にする」ということの体現者としてお話をお聞きしました。現在、キュレーションズ株式会社にて週3日事業参画されているのですが、担当の方から「亀田さんのような方を紹介してください!」と言われるほどのご活躍ぶりです。亀田さん、引き続きどうぞよろしくお願い致します!
    下記の亀田氏が開発を手がけるアプリ「むしマスター!2」は虫捕り、虫育成ができるゲームアプリ。ゲーム内で出現する虫は、実際の虫の写真を撮りに行き、イラストにしたという、こだわりっぷり。 現在世に出回るゲームは、虫が擬人化されていて可愛かったりするものが多いなか、このアプリの虫はまさにリアル。虫たちのありのままの姿を見ることができる。亀田氏曰く、このゲームでは虫の成長過程を知ることが出来るので、成虫の姿は知っているけど、幼虫や蛹の姿は知らないという現代の子供に、新たな発見を伝えてあげたい、とのこと。


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