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    優秀な若いエンジニアたちの思考や技術を間近で見られたのは収入以上のメリットでした【山田宏道さんインタビュー】

    ITプロインタビュー

    2015年08月20日

    yamada

    iOSアプリを中心とした受託開発を行う株式会社トルクス代表取締役の山田宏道氏。ゲーム開発会社でプログラマーとしてゲーム制作に5年携わった後、フリーランスに。ゲームからWebへ制作基盤をシフトした。7年間のフリーランス生活を経て3年前に起業するも、思わぬ業績不振に見舞われたという。そんな時に出会ったのがITプロだった。プレイヤー、また起業家の観点からITプロパートナーズの話、そして現在の事業のことを語ってもらった。

    ■ゲームの世界からスピード感を求めてWebサービスへ
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    Q.もともとはゲーム開発に携わっていたそうですね。


    ゲームが好きだったことはもちろん、CGがやりたかったのが大きな理由ですね。ただ、僕が大学を卒業した約20年前はCGを学べるところがあまりなく、デジタルハリウッドに通って1年ほど勉強をしました。そこから、ゲーム開発会社に入社してPlayStation2などのゲームに企画から参画していました。


    Q.その会社を退社し、フリーランスの道を選んだ理由は?


    企画から関わるとゲームがリリースされるまで2、3年はかかるんですよ。しかし、当時はWebメディアがものすごいスピードで目新しいものを世の中に生み出していて、その“目新しいもの”に強く惹かれたことが会社を辞めた理由のひとつですね。


    Q.とはいえ、フリーランスでいきなりシフトできるものでしたか?


    フリーになったのが2004年ぐらいだったと思うのですが、当時は複雑なFlashがどんどん使われるようになっていてプログラムスキルが求められていたんですよ。若干知識はありましたから、需要と供給がうまくマッチしたという。


    フリーになりたての頃は、知り合いの会社に席を置いていたりしましたが、ワークショップで知り合った同じフリーランスの仲間たちに仕事を紹介されるなどして、個人の受注案件がどんどん増えていきました。一番印象に残っているのは千葉市の科学館でタッチパネルの展示物を作りたいという依頼。まだ、iPhoneが発売される前でしたから、本当に形になるか不安ではありましたが、無事完成して今でも、科学館に展示されています。


    この「できるか分からないけどやってみる」の精神はゲーム開発会社にいたときに鍛えられたんですよ。ゲームも誰も見たことのない、やったことのない真っ白なところから形にしていきますから。発想も大事ですが、やってみてできなかった時に、どこに着地点を見付けるか、みたいな柔軟な姿勢も制作の上では大切な要素なんですよね。


    Q.フリーランス7年目で株式会社トルクスを立ち上げましたね。


    フリー時代に大手企業から仕事依頼が来た際、やはりフリーランスに発注するのは難しいと言われたこともあったので「じゃあ、法人化にしようか」と。ほんと、それぐらいの気持ちです(笑)。でも、会社にしてから大小関わらず仕事の数は増えましたね。現在はiPhone、iPadアプリの開発やシステム開発をメインに仕事を受けています。


    Q.ITプロパートナーズを利用したきっかけは?


    起業して1年半ぐらいの時に案件が頓挫したり、なかなか形にならなかったりすることが続いたんです。それまでは比較的うまく回っていたんですが、まさに山あり谷ありで、この時期は「企画書は出しているけれど遅々として進まない」「プレゼンが通らない」案件ばかりになっていて。この間、お金が生まれることはないけれど、とはいえ、いつ動き出すかもわからない。


    そんなジレンマを抱えていたときにfacebookのエンジニアグループ内でITプロのことが話題になっていたんです。週3回の勤務で固定収入が得られることは、まさに今の状況ではぴったりだなと。また、自分が得意とするiOS開発ができるベンチャー企業を紹介されたこともサービスを利用しようと思った要因ですね。


     

    ■収入だけでなく人、技術、思考に刺激を受けた
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    Q.1週間でITプロとご自身の仕事はどのように両立していましたか?


    週に3日はITプロパートナーズを利用している企業に11時~21時で勤務し、残りの3日は事務所で自分の受託案件の作業。そして1日は完全オフにしていました。私が勤務していた企業では月ごとにシフトを出すことが可能で、かなり融通してもらっていましたね。


    Q.収入面以外のメリットはありましたか?


    会社で働くのは10年ぶりでしたが、すごく良かったですね。まず、優秀な若い技術者の仕事を間近で見られたことが一番のメリット。個人で仕事をしていると、どうしても同じ世代の人たちや似たような考えを持っている人たちと仕事をすることが多くなってしまいがち。


    しかし、ITプロパートナーズでいままで仕事をすることがなかった10歳以上も年齢が離れた、いわゆるデジタルネイティブな人たちと過ごす時間は学ぶことがとてもありましたね。彼らは僕とは違い、生まれたときからデジタルメディアに慣れているため、とにかくスピードが速い。驚かされる場面が多々ありました。


    また、この企業の代表がとても素晴らしい人で、設計や運用などのハード面よりも、考え方や思考の広がり方などソフトな部分で共鳴することがあり、同じ起業家として刺激されたことも自分にとってプラスに働きましたね。


     

    ■iOS開発者向けのアプリがヒット!
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    Q.山田さんが開発したOSSライブラリの動作確認ができるアプリ「OSS Sampler」が好評のようですね。


    2年前にリリースしたiOS開発者向けのアプリですがアップデートを重ねて継続的に反響がありますね。GitHubの中から、クオリティの高いiOS対応ライブラリを抽出。タップ操作するだけで概要を把握、デモを操作でき、通常行うダウンロード、ビルド、操作確認の手間を省けるアプリです。


    値段は300円と一般のアプリに比べて多少、値は張るのですがユーザーから「この値段でも使いたい」「手間を考えるととても楽」などの嬉しい声をもらっています。


     

    ■技術は日々進化する。だからこそ学ぶ姿勢が必要
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    Q.長期的に思い描いている働き方やライフスタイルのイメージはありますか?


    フリーランスになった理由も「新しいことがやりたい」という思いからでしたから、今後もさまざまな案件を手掛けて枠を超えた仕事をしたいですね。ちなみに最近だとVRコンテンツに興味がありまして、Oculus Riftも早速購入してみました(笑)。ゆくゆくはVRコンテンツ制作も軌道に乗せたいと考えています。


    そして、自分のスキルが少しでも人の役に立てればと技術伝承にも力を入れたいと思っています。現在は『TECH GARDEN SCHOOL』という学生から社会人までが集まるスクールでアプリ開発のクラスを担当しています。今は講師という形で入っていますが、将来的には開催する側に回ることも視野に入れていますね。


    Q.エンジニアの卵たちを見て、改めて今後どのような人物がこの業界で活躍すると思いますか?


    デジタル技術は1日ごとに古くなりますから、常に新しい情報をキャッチアップする力を持つ人でしょうね。とにかく私たちの仕事は知らないといけないこと、知るべきことが多すぎる。それについていけないと確実に自分の技術は通用しなくなります。


    それに加えて「説明する力」があればベスト。知識のない人たちに対して「どうせわからないだろう」で済まさず、どうすればわかってもらえるかを考えて説明できる人が、これからますます重宝されると思います。と、自戒の念を込めて言ってみました(笑)。


     


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    ITPRO