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    「いつ死ぬかわからないし、やりたいことを今やろう」【粟島正俊さんインタビュー】

    ITプロインタビュー

    2015年04月28日

    「いつ死ぬかわからないし、やりたいことを今やろう」
    株式会社ジェネストリームのCTOとして、アポイント調整サービス「Cu-hacker」の開発を手がけた後に独立、株式会社Tech Factoryを立ち上げた粟島正俊氏。起業準備期間やスタートアップ期は、自社の開発を進める傍ら、週2〜3日はITプロとして急成長中のベンチャー企業に参画していたという。若き才能として注目を集める粟島氏に、これまでの経緯やワークスタイルへの考え方、リリースされたばかりの新サービスについてお話を伺った。
    ■CTOとして培った経験を基盤に独立、起業へ
    Q.そもそも、エンジニアになられた経緯は…?

    プログラミングとの初めての出会いは大学1年のとき。理系の学部だったので、もともとプログラミングも少しはやっていたのですが、友人にスーパーハッカーみたいな人がいて(笑)。

    それを見て、僕も勉強しようと本を買ったんです。 ただ、本を最初からパラパラめくってやっていても、全然面白くなくて。興味を持てずに、勉強は数ヵ月くらいでやめてしまいました(笑)。

    その4年後、新卒でワークスアプリケーションズという会社に入社して。そこでは職種にかかわらず、最初の半年間は必ずプログラミングを勉強するんです。初めて、“やらざるをえない環境”というのに直面し、取り組んでいるうちに、自分の頭の中で思ったものを、コードで表現していく面白さに気づきました。

    Q.その後、現在までのストーリーを教えてください。

    エンジニアとしてそこで経験を積み、2年ほど経ったある日、株式会社ジェネストリームの代表から突然、Facebookでメッセージをもらったんです。ある求人サイトで僕を見つけてくれたらしく、「CTOやりませんか」って。じゃあやります、ということで、2013年の4月に入社しました。

    ジェネストリームでは、それ以前とは使う技術も知識も違い、ひとりで担うべき幅が広くて結構死にものぐるいでやっていましたね。

    そんななか、2013年の暮れに交通事故にあってしまって。ケガはなかったんですが、結構本気で“死にそうな思いをした”と感じたんです。

    それから、「いつ死ぬかわからないし、やりたいことを今やろう」と思うようになって。学生のときから漠然と、自分で事業をつくってみたいと思っていたけれど、じゃあ今すぐにやろうと決心して、1年で退職し、株式会社Tech Factoryを立ち上げました。

     
    ■週の半分で資金をつくり、半分で自社の開発を進める
    Q.ITプロとして働いていたときの1週間の過ごし方は…?

    2014年の6月に会社を立ち上げるのと並行して、その準備期間からスタートアップ期、4月から9月までの半年間はITプロとしても週2〜3日働いていました。

    例えば週3日だと、火・水・木はITプロとして11時から20時までその企業のオフィスで働き、20時には退社。それから受託の仕事をしたりして。月・金は個人の受託案件を進め、土日の時間は自社事業の開発に充てていました。

    Q.実際にそういった働き方をしてみてどう感じましたか?

    人のご縁でこのサービスを知ったのですが、そもそも、こういう働き方があるということ自体を知らなかったので、いいなぁと思いましたね。

    僕もそれまでは会社に正社員として入って働くという働き方をしていましたし、もちろん「この会社でこういうことがしたい」と決まっている状態であれば、おそらくそれがベストだとも思います。

    でも当時の僕は、自社のことにもっと時間を使っていきたい、一方で足元の資金も貯めていかなければいけない…という状況で。自由な時間をつくりながら、効率よくお金を稼ぐことができるというのはすごく魅力的でした。

    Q.利用する前の働き方と比べて、特に感じたメリットはありますか?

    時間の使い方ですね。僕の場合はITプロで資金をつくり、空いた時間で自社開発、という形でしたが、例えば仕事以外にやりたいことがある、という人はそういうやり方もできるはず。時間の使い方はすごく自由だなぁと思いましたね。

    あとは、実際に現場に入ると、学べることもいろいろあって。急成長しているベンチャー企業で、ユーザー数も一気に増えているようなサービスの、内部の設計や運用方法を見られるというのはすごく大きかったです。

    システム面以外でも、どうやってユーザーを獲得していくのかなどは中に入ってみないと見えない。働くと言う立場ではあるけれど、ITプロと自社事業の相乗効果もあったのではと思います。

     
    ■高速で改善を繰り返し、より多くのユーザーに響くサービスを
    Q.この2月には、新サービスとしてスマートフォンアプリ「TOPIT」をリリースされましたね。

    はい、音楽のコミュニティ系サービスで、好きなアーティストの曲について、そのファン同士が集ってコミュニケーションができるようなアプリです。

    各アーティストについて話す小部屋が用意され、その中でアーティストの動画を見たりしながら、チャットで会話ができるという感じですね。ユーザーのSNSにおけるデータからどんなアーティストが好きかという情報を解析し、関連情報を通知するなどの連動もはかっています。

    コミュニティサービスなので、やってみないとわからないことも多いと思います。ただ、プロダクトの開発や、ユーザーの行動を見て高速で改善していける、というのは今の自分たちの強みなので、そうやって軌道にのせていきたいですね。うまくいけばアニメや漫画、スポーツなどいろいろな分野に増やして、より多くの人に使ってもらえるサービスを提供していきたいです。

     
    ■求められるのは「ひとりでカバーできる領域が大きいエンジニア」
    Q.長期的には、思い描いている働き方やライフスタイルのイメージはありますか?

    経営者失格かもしれませんが(笑)、僕はあまり長い視点というか、この何十年後までにこれ、ということはあまり決めていないんです。

    そのときどきに、これ面白そうだ、と思ったことをやっているタイプの人間なんですね。これはやっていて意味があるなとか、面白いなと思えることは、ずっとやっていけたらいいなと思います

    Q.粟島さんが、“面白い”と思うポイントは?

    「今」の僕がおもしろいと思える瞬間は、自分のつくったものをたくさんの人に使ってもらえるようになる、ということ。だから今は、使ってもらう人を増やすということに、最大の重きをおいています。このサービスに限らず、やっぱり億単位のユーザーというのはわくわくしますね。たぶん、日本だけでは無理なので。

    Q.今後どんなスキルを持つエンジニアの市場価値が高まっていくと思いますか?

    最近つくづく思うのが、エンジニアリングのパワーを使って何かものをつくろうというときに、関わっている方が少なければ少ない方が、できるスピードが速い、ということ。

    よくサーバーサイドエンジニア、フロントエンドのエンジニア等で役割分担しますが、それが分断されずに、ひとりでカバーできる範囲が広いと、市場価値は高いと思いますね。 それに加えて、ディレクターとか、デザイナーの領域も担えるようなエンジニアが増えるといいなと。

    もちろん各スキルで専門性があるので、全部である必要はないと思うんですけど。サービスを伸ばすために、データ分析から施策、実装まで一人で担えるようなエンジニアがいたらいいなと思います。

     

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    ITPRO