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    「同じ熱量」「同じ価値観」で完遂したシステム開発プロジェクト

    利用企業インタビュー

    2017年09月21日

    ユアマイスター株式会社 代表取締役 星野 貴之 氏(真ん中)
    ユアマイスター株式会社 開発責任者 星 永亮 氏(右)
    株式会社ITプロパートナーズ テクニカルディレクター 五藤 翔一郎(左)

    「人々の大事なものがより大切にされる社会へ導く」という経営理念のもとに、eコマースサイト「あなたのマイスター」を運営するユアマイスター株式会社。手に職を持つ「職人」の活躍ステージを拡げるためにサービスが始まった。今回は、ITプロパートナーズが展開するフルサポート型クラウドソーシング「ITプロクラウド」を利用したシステム開発プロジェクトについて伺った。

    前職で経験した「ビジネスを通じた社会貢献」が起業のきっかけ

    ▲『職人』の活躍ステージを拡大「あなたのマイスター」


    -まずユアマイスターの事業について教えてください
    星野氏)Webを通じて、手に職を持ついわゆる「職人」といわれる人と、「職人」の手を借りたいエンドユーザーを繋ぐお手伝いをしています。首都圏や地方など場所は問わず、小さな店や個人でやっている工房や、優れた技術を持つ人たちを探して自社サービスサイト「あなたのマイスター」に掲載。ユーザーはサイトで希望するサービスを提供する「職人」を探し、利用申し込みします。手のかかる家電などのクリーニングや着物やジュエリー・靴のリペア・メンテナンスなど、ジャンルはさまざまです。


    -今のサービスはどのように生まれたのでしょう
    星野氏)大学卒業後、新卒で楽天に入社し、約6年間インターネットショッピングに携わりました。ある地方エリア担当、1500億弱を担当していました。そのなかで、出店してくれた人が脱サラしてビルを建てたりするのを目の当たりにしたり、地域の雇用が増えたりと、「ありがとう」と言われる経験をたくさん経験してきました。その時に「ビジネスを通して、より多くの社会貢献をしたい」と思ったのが起業のきっかけです。実は、私はもともと政治家志望で。というのも、社会貢献って政治でしか実現できないと考えていたんです。ところが、楽天での経験で「これはビジネスでも何かできるな」と考えるようになりました。一方で、拡大しているとはいえ海外に比べて日本のeコマース市場はまだまだ成長の余地がある。そこで、この市場で何かしらの社会貢献をしたいと考えました。


    「職人」さんは、BtoBでのサービス提供がメインだったり、エンドユーザーを対象にしていてもチラシで宣伝していたりと、なかなか知られることがないんですよね。しかしWebサイトを立ち上げるかとか、そこで注文受けるかというと、そんなノウハウや余力はない。だったらその場所を彼らの代わりに作って、より多くの人に知ってもらえばいいじゃないか、そう考え「あなたのマイスター」の立ち上げに至りました。

    行きつ戻りつの開発プロジェクト。同じ「熱量」を持てたから乗り切れた

    -ITプロパートナーズとはどのように出会われたんでしょう?
    星野氏)起業時、一緒にやることが決まっていたメンバーはいたのですが、まだ前職から抜け切れない状態だったので、とりあえず私一人で奔走することになりました。しかしサービスを提供するWebシステムがないと始まらない。そこで、起業の際に投資してくれたビジネスパートナーが、いくつかの開発会社を引き合わせてくれました。その中のひとつがITプロパートナーズさんです。

    開発のパートナーを選ぶときにビジネスパートナーから、「ITプロパートナーズさんだったら星野さんが成長する」と言われたのです。今自分の中にあるものをWebシステムという形にしていく上で、業者さんに任せっきりでなく自分自身もとことん考えなければいけないし、それにきちんと向き合ってくれる開発パートナーがいいと。そういう視点で考えた時に、私に向き合ってくれる姿勢はITプロパートナーズさんが一番いいと感じました。

    五藤)星野さんからお話をいただいてから、開発担当者としてユアマイスターさんに伺いました。当時のメンバー構成は私の他にディレクション担当者が1名、デザイナーが2名の計4名体制です。

    -順調なスタートだったんですか?
    星野氏)頭の中で自分が提供していきたいサービスは明確だったのですが、それを形(Webシステム)にしていくというのがこんなに難しいのか、という感じでしたね。eコマースのサービスサイト自体は見慣れていましたが、システムを作るところに関わったことはなかったので、どうお願いしていいのか、どう進めていけばいのか、といきなり壁にぶち当たりました。とりあえず、Wordで要件定義らしきものを出して、Excelで作ったサイトマップを見せて…。そうやって必死で作ったものに対して「これじゃあ分からない」と言われても、なんで分からないのか分からない状態だったのですが、今考えるとあんなお願いの仕方はないです(笑)

    五藤)その時点で2か月後にローンチすることは決まっていたんですよね。正直、なかなか大変なプロジェクトだと思いました。一生懸命作っていただいた要件定義書とサイトマップだったのですが、やはり要素が足りなくて。そこで、細かいところはさておき、ベースとなる部分をまずは固めていきましょう、ということになりました。

    -どうやって仕様を決めていったのですか?
    五藤)まずサービスをしっかり理解して、このシステムでやりたいこと、やらなきゃいけないことを洗い出しました。後ろが決まっていることを鑑みると、最初の構想すべてを盛り込むのは無理なのですが、そのスケジュールにとらわれずに、まずはしっかりとミーティングで話し合いの時間を持つことにしました。最終的には、リリースする内容は絞り込む必要があるのですが、そこにたどり着く前にはやっぱり時間がかかりました。

    星野氏)始まる前は作るべきものは見えていたつもりだったのですが、実際に始まってみると、なんというか迷いが出たりしました。こうしたい、こうあるべき、みたいなものが出ては消え、出ては消え。今考えると、まだユーザーもパートナーも見えない中で、私自身が不安を感じていたのだと思います。

    五藤)作れるところから作り始めて、並行して細かいことを詰めて…。時間的なことを考えてもかなりのスピードが必要だったのですが、行きつ戻りつでフルスピードでは進めませんでした。
    -伺っていると開発案件としてはかなり厳しい状況ですね

    星野氏)本当に難しいなと思いましたよ。うちが決めないと進まない、でもなかなか決められない。めちゃくちゃ苦しかったですが、でもこれがリリースすれば実際に動き出せると考えると、「とにかく出したい」の一心でしたね。

    五藤)決まらないときっていろいろ理由はあると思うのですが、ユアマイスターさんの場合は「真剣だからこそ決まらない」という印象でしたね。より良いサービスにするために考えて考えて…。そういう星野さんの「熱」が伝わってくるんです。とにかくコミットメントできる最大のことをしよう、今の時点でのベストを出そうと思って取り組んでいました。システムを作る側では「こう作るしかない」と思うようなところでも、しっかりと話し合うことで、その背景にある星野さんの考え方や、大事にしたい点が見えてきたように思います。そうしたやり取りの中で、私たちの立ち位置も「スケジュールに間にあわせるためにとにかく作る」ではなく、「ユアマイスター様のメンバーが本当に作りたいと思うものに最後まで向き合う」という姿勢に、だんだんと変化していったように思います。そうしてお互いの姿勢が噛み合うようになってからは、あとはもうとにかく全力で走るだけ!という感じでしたね。

    -10月の一次リリースを迎えられていかがでしたか
    星野氏)いやあ、ものすごいテンションあがりましたよ。会社を立ち上げて初めて形になったものでしたから。サービスの営業もしやすくなりましたしね。

    五藤)でも、リリースした直後から結構いろいろありましたよね(笑)

    星野氏)リリースしたとはいえ、まだまだ荒削りで、ユーザーから見ると使えるクオリティに達していない点もちらほらで、そこの作業はリリースの直後から継続だった(笑)でもすぐ直してくれたし。

    五藤)そうですね、そのまま二次リリースに向けての機能追加が始まりました。もともといずれは内製化するのが前提でしたから、二次リリースに向けてはユアマイスターさんの社内に常駐する形で、ちょうどそのころユアマイスターさんに入社したエンジニアの人と一緒に取り組みました。

    星野氏)二次リリースもやっぱり行きつ戻りつでしたね。まだうちの社内にはシステム責任者がいなかったので、引き続き五藤さんにメインで開発してもらってという感じでした。

    五藤)このころに作っていたのは「クーポン機能」や「ユーザーレビュー」、「月別請求」といった、かなりサービスの根底に深く関わる、これまで以上に複雑で、間違いが許されない仕組みの開発でした。ただ、このころには、初回リリースまでに向き合ってきたお互いの積み上げ、相互理解もあり、「しっかりと話し合って決めるべき点」と、「こちらから提案したり、裁量を持って進める点」の切り分けが比較的スムーズになり、仕様検討〜開発〜テストのペースはかなり上がっていたように思います。二次リリースに関しては、そうした事もあり、かなり日程的にもコミットできたかと。
    それから2か月後くらいに星さんがシステム責任者で入社されるというので、引き継いだんですよね。

    星氏)偶然にも楽天時代の入社式で星、星野の名前順で席が隣だったことをきっかけに星野から参画の声をかけられていました。入社前から時々顔を出したり、少しシステムを触らせてもらったりしていましたね。

    -エンジニアの視点で見て、体制やシステムはどうご覧になりましたか?
    星氏)これだけの開発をしているのに、人が少ないなというのが感想でしたね。キツそうだなと(笑)。システム自体はやはり短時間で作り上げたということもあって、落ち着いたら手直しした方がいいかも、という部分も正直ありました。でもソースコードやロジック、データベースの設計を見て、よく短い期間でこれだけのものを作れたな、と感心しました。これだけのものを短期間で作り上げるには、素早い判断・決裁と、駆動力のある開発作業が必要。これができるのは、ベンチャーならではの利点だなと思いました。

    五藤)参画して一番感じたのは、スタートアップの開発は、「お客さん」「受託会社」という主従関係ではとても戦いきれない、ということ。社内外関係なく、同じ目標に向かって同じ価値観で取り組む、という、掛け値なしの真剣さがお互いに求められる世界だと思います。そして、そんな環境だからこそ、私たちも全力以上にコミットできました。体力的にはギリギリを求められましたが、アドレナリン全開で、今振り返ってみても、すごく楽しく、充実したプロジェクトでした。

    星野氏)ITプロパートナーズさんにお願いしたのは、そういう価値観を共有できるパートナーになれると見込んだからです。創業したばかりのまだ売り上げもたたない状態の時に予算をつぎ込むのですから、受託会社とお客さんというどこかクールな関係性ではなく、一緒に作り上げてほしかった。ベストな選択をしたと思います。

    星氏)一方で、お客さんと受託会社という関係性は、役割を棲み分けることでよりコミットメントに厳しく、ビジネスライクに進められるという点も否めません。正直急造のシステムなので、このまま拡張はできないという点がないわけではありませんが、逆に言うとこの短期間でこれだけのクオリティのものを作り上げたことは、エンジニアとして「すごい!」の一言ですね。

    設立一周年。さらなるステージアップを目指したい

    -ちょうど創業から1年とのことですね
    星野氏)8月8日で1周年を迎えました。スタート半年は鳴かず飛ばずだったんですが、ここ4ヵ月ほどで成長がはじまった手ごたえを感じています。目標を高く掲げてしまっているので、それと比べるとどうかというのはまだ楽観的ではないのですが(笑)。やったらやっただけの成果が出ている。これは肌身で感じています。

    五藤)サービスが知られるようになって、テレビにも紹介されましたね。あれはどうでしたか。

    星氏)サーバーダウンしましたよ。耐えられるように一応の手は打ったのですが、やっぱりテレビの力はすごい(笑)

    星野氏)このビジネスは上場してなんぼ。5年以内の上場を目指していきたいと思っています。そこをひとつのステージに、また拡大していきたい。後ろを振り向かずに、進むのみ!ですね。

    星氏)一周年を記念して、サービスサイトのデザインリニューアルをしました。大変な作業でしたがいいものができました。今はシステム周りに携わる人数がミニマム。やはりサービスeコマースを生業にする以上、もう少し人数を増やしてさまざまな角度で強いシステムを支えるチームにしていきたいと考えています。でも誰でもいいわけじゃない。やっぱり「熱量」と「価値観」を共有できる人材と一緒にやりたいと思っています。

    ▲サイトリニューアルとともにオープンした一周年記念ページ

    五藤)最後におまけの質問なのですが。今だから私に聞きたいことってありますか?

    星野氏)あるある。本当にうちに来ることは考えなかったのかなって(笑)

    五藤)そうきますか(笑)もちろん、迷いました。ただ、一つの案件にずっと関わっているよりも、こうした0→1フェーズの受託開発で、多様な経験を積みたいと思っています。そして、ある意味、この距離感でユアマイスターさんの大躍進を見守れるのはすごく美味しいポジションと感じています!(笑)

    星氏)エンジニアとして心残りはありますか?

    五藤)それはないです!(笑)逆に言うと、やり残した感を持つような仕事をしちゃいけないなと思って日々取り組んでいます。受託パートナーとしての私たちの役目は、サポートが必要なフェーズにおける、必要な開発を全力でやりきって、きちんとお渡しする事。その後、事業が成長したり、内製化チームができたりと、会社のステージが変わっていく中で、自分が作ったものがなくなってもいいと思っています。そういう部分を含めて、お手伝いした会社を見守っていきたいし、弊社のスタートアップの受託開発を通して、そんな関係性を少しずつ増やしていくことは、会社に取っても、私自身に取っても大きな財産になると思います。そんな事業を、これからも続けていきたいです。


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